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斎藤 祐児; 保井 晃*; 渕本 寛人*; 中谷 泰博*; 藤原 秀紀*; 今田 真*; 鳴海 康雄*; 金道 浩一*; 高橋 稔*; 海老原 孝雄*; et al.
Physical Review B, 96(3), p.035151_1 - 035151_5, 2017/07
被引用回数:3 パーセンタイル:16.91(Materials Science, Multidisciplinary)単結晶CeFeを用い、X線吸収(XAS)磁気円2色性(XMCD)の高精度実験により、その強磁性的秩序相におけるCe4状態を調べた。Ce XMCDスペクトルは、温度及び磁場に依存した形状変化を示す一方、Ce XAS、Fe XAS及びXMCDスペクトルでは変化が観測されないという通常の強磁性体とは異なる現象が観測された。このような振る舞いは、Ce 4配置の基底状態と状態が混ざり合ったことに由来すると解釈できる。外部摂動に対し非常に敏感なCe 4状態は、本物質での強磁性相と反強磁相が隣接する磁気不安定性と関連付けることができる。我々の実験データは、混成の強い強磁性Ce化合物の物性に対して、貴重な情報を与える。
岡根 哲夫; 藤森 伸一; 井野 明洋; 藤森 淳; Dhar, S. K.*; Mitra, C.*; Manfrinetti, P.*; Palenzona, A.*; 酒井 治*
Physical Review B, 65(12), p.125102_1 - 125102_7, 2002/03
被引用回数:13 パーセンタイル:55.55(Materials Science, Multidisciplinary)YbCoX(X=Ga, Al)は、同じ結晶構造を有し、X=Gaでは価数揺動系,X=Alでは反強磁性秩序を見せる近藤格子系の物性を示す。このXリガンドの違いに応じた物性の起源を明らかにするため、本研究はこれらの化合物の電子状態を高エネルギー分解能の光電子分光実験により調べた。X=AlではX=Gaに比べてYb4fエネルギーレベルが上昇していることが観測された。このエネルギーレーザーの上昇をYb4F-リガンドSP電子の混成の減少が、X=AlとX=Gaでの物性の違いの起源と考えられる。またX=Gaでは結合エネルギー26meVに近藤ピークを観測した。この近藤ピークのエネルギー位置と幅は不純物アンダーソンモデルから予想される値と近い値を持つが、顕著な非対称形状を示した。この非対称形状の起源として、電子-正孔体の形成を提案した。